さいころ亭オリジナルワールド
『ザウゼリアリコシェ』 特殊設定編冒険者になる |
薄暗い酒場の中、酒を運ぶ女、酒を煽る男、喧騒の中に流れる歌声、そしてむせ返るような酒と煙草と汗の臭い。冒険都市フォードにある酒場、「銀の乙女」亭のいつもの様子だ。そんな酒場に、いま初めて足を踏み入れた者がいる。男…、いや、まだ少年といってもいい年齢だ。少年はキョロキョロとあたりを見渡していた。ふと、彼に誰かがぶつかった。「そんな所でなに突っ立ってんのさぁ!ただでさえ狭い店なのにぃ!早く座るのら!」彼に大声を張り上げたのは、この店の従業員の女の子らしい。年齢は少年とあまり変わらないだろうか?頭にはウサギのように長い耳が立っている。彼女は奥のテーブルに酒の入ったジョッキを置くと、忙しなくカウンターの方に戻っていく。少年はその場からその様子をじっと見ていた。「おい、坊主。この店は初めてか?」ふいに、少年に声がかけられた。少年が声の方を振り向くと、そこには2メートルに達しようという大男がいた。しかも、彼は人間ではない。隆々とした筋肉、爬虫類のような顔。立派な鬣(たてがみ)と髭。ドラグーンと呼ばれる伝説のモンスターを連想させる姿。「イヤ…、あのよ、別にお前さんの剣をどうこうしようって訳じゃねぇんだが…。」
ドラゴニアだ。噂には聞いた事があるけど…。
その姿に圧倒されて、少年は言葉もなくたたずむ。ドラゴニアは少年の腰に視線を落とす。そこには剣が下げられていた。買ったばかりのブロードソードが。その剣と少年の顔を交互に見て、ドラゴニアは口の端を歪めてニヤリと笑みを浮かべる。少年はその笑顔をにらみつけると、剣をかばうように身をよじって、ドラゴニアと向かい合う。その様子を見たドラゴニアは、困ったようにボリボリと頭を掻きながら視線を少年の顔に戻す。少年はドラゴニアの方をじっと睨む。「お前…、冒険者になりてぇのか?」少年の視線を無視してドラゴニアは言葉を続けた。「冒険者になりたいんだな?」
…そうだ…、僕は冒険者になりたい…。冒険者になって、いなくなった父さんを探さなきゃ…。少年は思った。少年の心を見透かしたように、ドラゴニアは問いかける。少年はその言葉にコクリと頷く。「へへっ、そ〜か…。冒険者になりたいのか…。よし、オレがいろいろ教えてやるよ。」口元に笑みを浮かべたまま、そのドラゴニアは言い放った。「冒険者になりたいんだったら、いろいろ知っとかなきゃなんねぇ。そ〜だな…。まず始めに…。」
ドラゴニアは空いているテーブルを見つけると、そこに腰をおろした。そして、となりの席に少年に座るよう促す。少年が席につくと、ドラゴニアは、また話しはじめた。少年は息を呑んでドラゴニアの一挙一動に神経を集中する。その様子を見ていたドラゴニアはニヤッと笑うと、こう続けた。「もっと、肩の力を抜くこった。そんなんじゃ冒険どころじゃねえぜ。」あっけに取られる少年に、ドラゴニアは片目をつむって笑いかける。「冒険者ってのは、ちゃらんぽらんなのが一番なのさ。」そう言って、「ガハハ…」と、大声を上げて笑いはじめた。それにつられるように、少年の顔にも笑みが宿る。少年は、この日初めての笑顔を見せた。
では、実際にゲーム中で冒険者になるにはどうしたら良いのでしょう。やり方は簡単。キャラクターシートの特徴の欄に、「0cp/冒険者」と書けば良いのです。ルール的には、この特徴は、「5cp/後援者/大きな勢力/時々手を貸してくれる」と、「−5cp/使命/危険な仕事も含む/時々」を同時に含んでいます。さらに、冒険者には、ランクのようなモノが与えられます。ギルドに入ったばっかの冒険者は、なんのランクもない、いわばヒラ冒険者です。しかし、すごい遺跡を発見したり、罠だらけの難解なダンジョンをクリアーしたり、山賊や海賊をやっつけたりと、いろんな冒険をして、いろんな手柄をたてると、その「冒険者としての腕」を称える方法として、ギルドから、恩賞金と共に冒険者ランクが授与されます。冒険者ランクは、全部で四段階あり、まずカッパークラス、次にシルバークラス、そしてゴールドクラス、プラティナクラスと続きます。このクラスをもっているだけで、持ってない冒険者からは尊敬と賛美の声がかかるでしょう。 |
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