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おまけのはみ出しコラム 《04》

 
 【CoCoとテーブルトークしよう シーン1・板橋区某202号室
【糸】「うーん、シュチュエーションねぇ・・・・」
《CoCo》「何難しい顔してるのぉ?」
【糸】「かぢ君に『やってみたいシュチュエーションがあったら教えて』って言われてるんだけど・・・」
《CoCo》「ああ、あのガープスオリジナルのお話ね?(注:そういう話があった。)いいじゃない、『恋愛ドラマがやりたいー』とか『海の上で戦ってみたいー』とか『効果音を使って!』とか、いろいろ言ってあげればぁ?糸ちゃん、いっぱい溜まってるんでしょ?(くすっ)」
【糸】「こらこら(汗)、誤解されるよーな言い回しをするんじゃない(汗々)」
《CoCo》「なによぉ、その汗は?(くすくす)」
【糸】「いやいや、実際マスターとしてやってみたいことは幾つかあるんだけど…」
パラパラ・・・(アイデアノートをめくってみる)
《CoCo》「わー、これが糸ちゃんの欲求の溜まり場なんだぁ」
ばきっ! 
《CoCo》「(頭を押さえながら)いったーい!グーで叩くことないじゃない。」
【糸】「いらんことゆーからだ。」
《CoCo》(小声で)振られてからこっち、きれやすくなってるみたいね。
【糸】「何か言ったか?」
《CoCo》「(首を振る)ぶんぶんぶん!そ・・・そんなことより、何で悩んでるのぉ?」
【糸】「えとね、例えば、さっきCoCoが言ってた『恋愛ドラマをやりたい』『海の上で戦いたい』『効果音を使って欲しい』の三つは、全部やりたいことなんだけど、それぞれ分野が違うんだ。」
《CoCo》「分野?全部・・・えーと・・・あ、ますたりんぐぅ!マスタリングのことなんじゃないの?」
【糸】「マスタリングって言っても、『シナリオを作る』のと『シナリオを進める』のとは全然別の作業でしょ。」
《CoCo》「ちがうの?」
【糸】「ちがうと思うな。頭の使い方が全然別な気がする。さっきの三つだけど、『恋愛ドラマ』はテーマ、『海の上で戦いたい』は場面構成、『効果音』は演出とかね。映画とかドラマなんかを作る時は、別々の人がやってることだろ?」
《CoCo》「テーマと演出と、一緒に注文しちゃいけないの?」
【糸】「したくないな。注文の要点がぶれるし。あと、かぢ君がどういう意味でシュチュエーションって言ってるのかよくわかんないんだ。」
《CoCo》「でもかぢにゃんが1人で全部やるんでしょ?なら悩まなくても、かぢにゃんが考えてくれるよぉ。適当でいいじゃない。」
【糸】「うーん、でもねぇ・・・・」
《CoCo》「・・・・・・あー!わかったー(にまっ)。糸ちゃん、言いたいことがいっぱいありすぎて困ってるんでしょ!(ビシッ!)」
【糸】「う゛っ!・・・そ、それは・・・・・・」
《CoCo》「もぉ、結局自分でマスターできないのが悪いんじゃないのさー。」
【糸】「そ、それはそうなんだけど、俺だけが悪い訳じゃないんだ。」
《CoCo》「なに、まだ言いたいことがあるわけ?」
【糸】「かぢ君が考えてるのが、ファンタジーRPGだから悩んでるんだ。」
《CoCo》「・・・・・・(ジト目)・・・・・・」
【糸】「(アセッ)あ・・・あのな、純粋なファンタジーTRPGのルールって言われて、何を思いつく?」
《CoCo》「(やるきなさげに)るーるぅ?ふぁんたじーのるーるなんてなんでもいーじゃん」
【糸】「(変換までサボるかこいつは)メジャーなのでいいから言ってみな。」
《CoCo》「ソードワールドとかD&Dとか?」
【糸】「それから?」
《CoCo》「T&T、ガープスならルナル、ロードス島戦記は古いのと新しいのがあるよね。セブンフォートレスT・Uとかワースブレードもファンタジーなのかなぁ?」
【糸】「そうだね。あとやったことないのだとルーンクエストとかエルリックなんかもあるけど、知らないのはとりあえず横に置いておこう。じゃあ次は今あげたルールの特徴を考えてみようか。他のルールと比べてどんなところが面白いか、そういう所をね。まずルナルから。」
《CoCo》「ルナル?SWからじゃないの?」
【糸】「SWはまた後でね。はい、ルナルの特徴は?」
《CoCo》「ルナルの特徴って・・・ガープスなんだからぁ・・・PCの性格が細かく決められてぇ・・・」
【糸】「それから?」
《CoCo》「世界の住人がみんな神官なんだっけ。」
【糸】「それは世界設定の特徴。ルールの特徴じゃない。次はロードス島。」
《CoCo》「古い方は根性(正確には集中力)があったね。新しい方は地底に悪魔が住んでるんだよぉ」
【糸】「SWも悪魔はいるけどね。はい、セブンフォートレス。」
《CoCo》「Tはポイントためて決め台詞を使うと、死んじゃっても生き返ったり、敵を倒したり出来るんだよね。(一瞬眉毛が太くなって)『お前は既に死んでいる!』って。」
【糸】「(いつの生まれだ、こいつは)うんうん。あとは?」
《CoCo》「Uは海とか陸とかの神様みたいなのがいて、仲が良かったり悪かったりしてるんだよね。」
【糸】「それも世界設定の特徴。まあ、セブンフォートレスは一回ずつしかやってないからね。細かいルールはわかんなくてもしょうがないかな。」
《CoCo》「それは、ちゃんとルールブックを読まない糸ちゃんが悪んじゃない。」
【糸】「ははは。そうなんだけど、定期的にサイコロを振る場所、戦闘とかでね。それさえ覚えれば何とかなるんだもん。」
《CoCo》 「そこがどんな世界かは、本読まないでわかるの?」
【糸】「世界設定なんか、プレイしながら感じるもんだよ。引越し先を決める時に、情報誌で間取りだけ見て決める人はいないだろ?実際にその部屋に行って、部屋とか街の雰囲気を感じてから決めるじゃないか。逆に不動産屋に『部屋を貸して下さい』って飛び込んで、すぐに案内してもらう人がほとんどなんだ。」
《CoCo》「糸ちゃんもそうだったもんね。しかも一軒目で決めちゃったし。」
【糸】「うーん、今考えると一軒目で決めたのはうかつだったよなぁ。いい部屋だったからよかったけど。」
《CoCo》「でもTRPGはそれでいいのかなぁ。」
【糸】「ゆくゆくは覚えなきゃいけないと思う。でもね、リアリティーを考えるから、ぶっつけ本番をやることもあるんだ。」
《CoCo》「えーなんでぇ?ルールを知らなきゃリアリティーなんて出せないよぉ!」
【糸】「知らないって言うことを逆手にとっちゃうんだ。例えば・・・魔法使い。レベルの高い低いはどういう違いで決まってると思う?」
《CoCo》「何ってぇ・・・魔法使いなんだから、いくつ魔法を知ってるかじゃないのぉ?レベルが上がったら、いろんな魔法が使えるようになるもん。ちがうの?」
【糸】「ルール上はそうなってるけどね。でも、例えば現実に魔法使いがいたとしたら、どうだろ?魔法学校があって、先生がいて、図書館に教科書が置いてあるんだ。・・・・・・そうだな、CoCoは魔法学校の生徒で、空気からメザシを作りたかったとしよう。その為の魔法があると聞いたこともある。でも授業でやるのは、ずっと先のことなんだ。」
《CoCo》「メザシ?(グ〜・・・)うう、そう言えば今日はご飯食べてなかったなぁ。おなかすいたぁ!」
【糸】「後で食べに行こうね。その前に空腹を満たすために魔法使いCoCoはどうする?」
《CoCo》「うー、なんか、りあるすぎるぅ!・・・えーと、先生に聞きに行くぅ。!『せんせー、メザシ造る呪文おしえてくださーい』」
【糸】「すると先生が『お前にはまだあの魔法は早い。それより犬と話す魔法は覚えたのか?』って・・・」
《CoCo》「うにゃぁ〜!犬は嫌いなのぉ!先生の意地悪ぅ。仕方がないから・・・図書館行って教科書見る。えーっと、メザシ、メザシ〜メザシの本〜♪」
【糸】「するとサイコロの目がよかったのか、『空気から物を生む魔法』の本が」見つかった。読んでみる?」
《CoCo》「もちろぉ〜ん。目次で『メザシ』を探すのぉ。メザシ、めざし、目刺・・・載ってるぅ?」
【糸】「目次には『気体を固定化する基礎編』から『空気系古代神との交信方法』までの項目があるよ。勿論メザシの造り方も載ってる。」
《CoCo》「危なそーなページは飛ばして、メザシのページを見るぅ。えーと、32ページっと。」
【糸】「ずいぶん前の方に載ってるな(笑)。そしたらそのページには『赤い風船と髪の毛を一本用意して、基礎魔法Aにあてはめると、山のようにメザシが生まれるであろう』って書いてあった。」
《CoCo》「はーい、ふうせんとぉ、かみのけー(ぴんっ!)」
【糸】「いてっ!俺の髪の毛を抜くんじゃない!自分のでやれ、自分ので!」
《CoCo》「乙女の髪の毛は大切なのでーす♪で、ここで基礎魔法A♪いやいやはすたーあいあい!
【糸】「勝手に怪しい呪文唱えるんじゃないよ。ところがどっこい、CoCoは基礎魔法Aを知らなかった。」
《CoCo》「え?なんでぇ!?真面目に授業受けてたのにー!(【糸】「うそつけ。」)・・・あ!さっき『基礎編』ってなかったっけ?そこ見ればきっと載ってるよね?」
【糸】「じゃあ、基礎編のページ。そこには『基礎魔法Aは公式呪文Bと限定呪文Cとの組み合わせによって成立するであろう。』って書いてあるね。ちなみにCoCoは公式呪文Bは知ってる。」
《CoCo》「限定呪文Cは?知ってる?知ってる?」
【糸】《CoCo》は限定呪文C自体は知らない。でも文章を読んでると、公式呪文Eの応用なんじゃないかと気づくね。ちなみに公式呪文Eは知ってるよ。ちょっと頑張れば出来そうだ。」
《CoCo》「やったー!めざし♪めざし♪山のようなメザ〜シ!(踊る)魔法使いCoCoは、呪文を覚えた!」
【糸】「わかった?(にやり)」
《CoCo》「なにが?」
【糸】「魔法使いのレベルアップって何なのか。」
《CoCo》「新しい呪文を覚えた!」
【糸】「違う。新しい呪文なんか一つも覚えてない。でもレベルが上がったの。」
《CoCo》「・・・メザシを食べる呪文は新しくないの?今まで知らなかったんだよ?」
【糸】「(『食べる』じゃなくて『造る』だって。)新しくない。魔法使いCoCoが覚えたのは『メザシを造る呪文』そのものじゃなくて、『メザシの造り方』だけだよ。」
《CoCo》「・・・わかんなーい。」
【糸】「メザシ呪文を整理してみよう。ます風船と髪の毛、それと基礎魔法Aだよね。んで、その基礎魔法Aは公式呪文Bと限定呪文Cを組み合わせて出来てるんだ。」
《CoCo》「でも公式呪文Cも知らなかったのね?」
【糸】「そう。教科書を読んでいくうちに、公式呪文Eの応用だってわかるんだ。…これでわかった?」
《CoCo》「?」
【糸】「つまり『メザシ=魔法媒体×基礎魔法A』がメザシ魔法なんだけど、魔法Aを知らない人には『媒体×(呪文B+呪文C)』になって、呪文Cを『呪文Eの応用』ていうふうに理解してる《CoCo》にとっては『メザシ=媒体×(呪文B+呪文E´)』なる。」
《CoCo》「うにゃぁ〜、数学はニガテ。・・・ぜんぶ知ってる呪文ってこと?」
【糸】「そう。全部知ってる呪文だったんだけど、CoCoはそれをうまく組み合わせればメザシを造れるって知らなかったんだ。」
《CoCo》「・・・魔法って、ホントにそんなふうに組み立てられるの?」
【糸】「もし本当に魔法があるんならこんな風になってる気がする。もっとデリケートにやらなきゃいけないんだろうけれどね。」
《CoCo》「じゃあSWで、ファイアーボルトとスリープクラウドを組み合わせたり出来るの?」
【糸】「だから、さっきのは『例えば』だって。でも、ファイアーボルトとスリープクラウドを別々に使うより、スリープクラウドをかけてからファイアーボルトをかけた方が効果は大きいだろ?」
《CoCo》「あ、聞いたことあるー!それって『コンボ』ってゆーんだって。」
【糸】「そうそう。マジック座ギャザリングでも使ってる『組み合わせ』って言葉だね。効率的な組み合わせ方が出来る人の方が、あのゲームでは、レベルが高いプレイヤーってことになるんだ。TRPGの魔法でも、組み合わせで効果が倍増したり、全然別の効果が得られたりする事もあるから、そのことを知ってて上手く利用できる魔法使いは、レベルが高いんだよ。」
《CoCo》「わかったぁ!メザシにピーナッツバターかけると、おいしくなるのと同じだよね。」
【糸】「ぴ、ピーナッツバター!?」
《CoCo》「うん。別々に食べてもおいーいけど、メザシにピーナッツバターかけて食べると、空飛んじゃうくらいおいしくなるんだよ。」
【糸】「そ・・・それはホントにとんでしまう気がする・・・・(汗)」
《CoCo》「でも・・・どのTRPGみても、そんなのルールになってないよぉ。」
【糸】「キャラクター成長の方向性を集約てるから。魔法使いのレベル上昇っていえば魔法の数と精神力しかないもんね。多分、精神力・・・精神点って言った方が解りやすいかな。もしかしたら、この精神点の上昇っていうのが、『いかに効率よく魔法をかけられるか』って言うものを表現してるのかもしれない。」
《CoCo》「でも精神点は『何回魔法をかけられるか』なんじゃないの?そーだとしたら、ホントに精神点をいっぱい持てる様になったのかもしれないじゃん。」
【糸】「SWなんかは両方取り入れてるね。レベルが上がると精神点の上限が増えるのと、同じ魔法でも消費する精神点が少なくなる。他のシステムにもいくつかそういうルールがないことはない。」
《CoCo》「じゃあ、ちゃんとルールになってるんだぁ。」
【糸】「でも、『状況に合わせて上手く使えるようになる』なんてルールは、どのシステムも取り入れられてない。」
《CoCo》「なんでなのかなぁ?」
【糸】「それがプレイヤーの楽しみだからさ。与えられた状況をどうやって上手く乗り切るか、TRPGはそういうゲームじゃないか。」
《CoCo》「うんうん、そーだね♪・・・・・じゃあさ・・・もしかしてぇ、レベルの高い魔法使いは上手なプレイヤーがやらないと、魔法がいっぱいありすぎてこんがらがっちゃうのかなぁ。」
【糸】「そうとは限らないけど、そういう事もあるかもね。僕なんかは、魔法使いに限らず高レベルの戦士なんかでもそうなっちゃう方かな。自分が強いと力押ししちゃって、気がついたらシューティングゲームやってるみたいになってたから。」
《CoCo》「強引すぎると嫌われちゃうわよぉ。」
【糸】「・・・・・・(グーを握る)」
《CoCo》「いやん(はーと)、そんなに短気だから、強引に話を進めちゃったり、すぐに振られちゃったりするのよぉ。」
【糸】「ぐっ!(い・・・言い返せない!!)・・・ぎゃ、逆に下手なプレイヤーがレベルの低いキャラクターを使うと、『初級の魔法もよく覚えてない新米魔法使い』なんてのになりきりやすいんだ。地で行けるキャラクターほどやりやすいものはないからね。」
《CoCo》「ああ、それがさっき糸ちゃんが言ってた『逆手に取る』なのね。」
【糸】「そうそう。キャラクター自体が新米で魔法を知らなかったり剣を上手く振るえないんだから、どういう魔法をかけていいかわからなくなったら、ルールブック捲りながらキャラクターも魔法の書を調べてるような演技したり。・・・・・・やっぱり迷惑かな?」
《CoCo》「・・・頑張って演技しないとかぢにゃんあたりに殺されそーね。」
【糸】「んでも、キャラクターの気持ちになるのは必要な事だと思わないか?それがわからないと、本気でプレイを楽しむのは難しくないかな。敵を切った時の感触、殴られた時の痛み、雨に打たれる時の冷え、物を食べた時の味覚・・・・・・」
《CoCo》「(ぐぅ〜〜〜)ううっ、おもいだしちゃったぁ!おなかすいたよぉー!!」
【糸】「じゃあ、ちょっと休憩にして、ご飯食べに行こうか。」
《CoCo》「やったぁ!CoCo、鯖のイチゴジャムランチたべるぅ!」
【糸】「・・・・・・お前・・・全部1人で食えよ・・・・・・・・・。」
 
要望があればつづく。
 
文責:糸  (1999.04.24)
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