赤いワインの日　 　ソードワールド　シナリオ

 

１●依頼

　酒場の店主アーノルドに馬車で３日程の処にあるトレア村に、ワインの買い付けに行く仕事を頼まれます。食料、馬、馬車はアーノルドが用意します。出発は明日の朝です。また、トレア村への紹介状を渡されます。情報収集を行った場合、以下のことが分かります。

・トレア村周辺に山賊まがいの者達がいてワインの買い付けを邪魔している。
・山賊はワインの買い占めをたくらむ、ある商人が雇っている。
・商人の名はカルロス。薬の取引など悪いウワサが絶えない。
・トレア村のワインは質が高く、蒸留酒や薬品にも使用される。また、同じブドウの木を他に植えても何故かトレア村のワインのようにはならない。

２●旅路

　２日間はのどかな街道の紅葉を眺めながら、旅路は何事もなく進みます。山賊もワンダリングモンスターも出ません。残り１日は野宿になります。トレア村のすぐ近くで山賊がＰＣ×1.5人程現れ、ＰＣ達を追い返そうとします。ＰＣが何を言っても村に入れようとしません。戦闘になり、ＰＣの方が強いと見て取ると捨てゼリフを言って逃げていきます。

３●取引

　村に到着し、アーノルドの使いで来たと伝えると、マーファ神殿に案内されます。すると村人が集まって何事かを暗い顔で相談しています。トレア村のワインを安い値で買い占めようとしている者がいて、ＰＣの他にワインを買いに来た者を追い返しているそうです。村人は争いを避け、ワインを売ってしまうか、あくまで戦うか、二つに分かれて話し合っていたのです。ＰＣが来たのを見て戦いを主張する方が勢いを増します。
　その時、神殿の扉を開けて一人の男が入ってきます。穏やかな役人のような外見ですが、彼はカルロスと言い、ワインを買い占めようとしている人物で、暗黒神に仕える者でもあります。カルロスはＰＣに、金をやるから替えるように交渉します。結果に関わらず、カルロスは村人に明日の正午にはワインを取りに来る、と言うと、入り口にいる手下に声をかけ、去っていきます。手下の顔を見ると、村人の一部から軽いざわめきが起こります。
　ＰＣ達にカルロスを退治してもらおう、と言う雰囲気が合ったのですが、マルロという中年の農夫が急に「冒険者なんて山賊と同じ、信用できない、カルロスにワインを売ろう」と強く主張します。ＰＣと村人を相談させて下さい。

・カルロスにワインを売ることになった場合、ＰＣはワインを手に入れることは出来ません。
・ＰＣ達がカルロス退治を請け負った場合、マルロは周りの椅子をけりながら黙って外に出てしまいます。
・村人は個別にカルロスやＰＣにワインを売ることはありません。
・神殿でＰＣがカルロスに襲いかかった場合、神殿のプリーストに止めさせて下さい。

４●赤

　相談が終わると村人は帰っていきます。神殿のプリースト、マリーが、今晩はここに泊まるよう勧めてくれます。この季節、夜は結構寒いのです。暖炉に薪をくべ、お湯でわったワインとシチューを出してくれます。
　マリーはＰＣ達にマルロとアンドレを助けて欲しいと言います。アンドレはマルロの息子で、冒険者になると言って村を出たのですが、街で食い詰めてしまい、強盗やゆすりなど悪い仕事をするようになりました。先ほど神殿の入り口にいたカルロスの手下はアンドレだったのです。マリーの依頼は特に報酬はありません。
　以後、カルロス達がいる村外れの廃屋か、翌日の正午に村の中で戦闘が起きると思います。山賊の数はＰＣ×２です。

・カルロスは正午まで何もしません。
・マルロはアンドレを説得しようとしてカルロスに攻撃されます。
・村の中で戦う場合、マリーはＰＣに協力してくれます。

５●帰路

　ワインを手に入れた場合、１０００経験点です。山賊を倒した場合、３０００Ｇがパーティに村から支払われます。アンドレをどんな方法であれ、考え、助けようとしたＰＣは＋５００経験点です。

 

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